「あは。いっぱいします?」

名作まとめ

386: :2006/04/25(火) 02:53:12 ID:

何日かして。学校行く前に来て。俺の「おはよう」より先に「あと四年だけ、保護受けます。」
それで彼女の決意は解った。俺も「がんばろ。」だけ。彼女は「頑張ります。」 
そう言って、小さくお辞儀して。その彼女の頭ぽんぽんやって、送り出して。 
その時は、何よりも悩んでる彼女の姿をもう見なくてもすむ事が嬉しかった。 
俺はその日は休日だったから、朝一でお婆さんのとこに様子見に行ってみたら、安堵した表情で。 
俺の顔見るなり「ありがとねぇ本当に。」とお礼言ってくれた。でも何か納得いかなくて。 
この時も親父の力借りて。結局何もして無くて。また彼女の横でそわそわしながら様子見てただけ。 
それで感謝されて良いのかどうか。悩んだけど、落ち込みそうだから考えるのは止めた。 
学校から帰って来た彼女は、ピンポン鳴らしもせずに鍵開けて入ってきて真っ直ぐ俺の横来て。 
「あは。ちょっと気楽。」微笑して。瞳の明るさが増してて。その顔見ただけで『よかった』と。
ちょっとでもいい仕事探したいから高校いきます。彼女の出した結論。俺は頷くだけで。 
市営の方行って、夕食一緒に食べながら、いつになく饒舌に話すお婆さんがいて。 
「母親も高校も行かんと働いてさっさと結婚したけんね。そがいなるんやないかってね。」 
そんな心配もしてて。となると俺も心配のタネだったのかなと思って。とりあえず謝ったけど、 
「なに、謝る言う事はあんたそんな気でおったの?」突っ込まれて思わず彼女の方見たら、
食事の手止めて横目で見上げられてて。完全に俺の答え待ちで。何故か、何か変な汗かいて。 
お婆さんに「本気で考えんでも。」そう言って貰って助けられたけど、彼女は納得して無くて。 
部屋帰って座ったらつんつん、と肩つつかれて「ちょっとは考えてました?」じっと見つめられて。 
全く頭になかった事だから「…まだ。」そう答えた。彼女はちょっと溜息っぽく息吐いて、 
「…私ちょっと考えてました。」中学出て六月で十六歳だからとか色々言ってたけど最後に、 
「でも便りきりじゃダメだし。自分で働いてご飯食べれるようになってないと、ですよね。」 
真面目な顔で言った彼女が、可愛くて。「うん。それまでがんばろ。」口突いて出た言葉がそれで。 
「お願いします。」やっぱり真面目に返されて。俺も適当じゃいけないなと。腹が決まった。
388: :2006/04/25(火) 04:15:20 ID:

>>385-386 
41氏、深夜の投下ありがとうございます。 
ゆっくりと、でも確実に歩んでいく二人に安心しました。あは嬢もしっかりしたいい娘だ。 

最近少し雰囲気の悪いときがあるけど。。。今まで通りまったりとお待ちしておりますw

390: :2006/04/25(火) 08:25:43 ID:

41氏キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 
いつもお疲れ様です! 
就職して展開がどうなるか…期待してます!!
392: :2006/04/25(火) 13:46:21 ID:

41氏乙です。 

「あは。ちょっと気楽。」に激しく萌えました!! 

529: :2006/05/03(水) 01:37:54 ID:

進学決めたからには、彼女も受験生。三者面談とか進路指導とか本格的に始まった。 
進路に選んだ高校は彼女の成績からしたら普通にやってればまず落ちないレベルだったし、 
学費とかの事も福祉科の担当さんに相談したら「勉強頑張ってください。」だけで、簡単にOK出て。 
進学に関する金銭的な事はクリアできて一安心。お婆さんが凄く安心してくれて。 
俺が彼女の一家に会ってからその時までは、常に何か不安とか心配とか抱えた状態で。 
やっと訪れた、直面してる問題が無い状態。とりあえず何も心配する事が無い日常。 
彼女もお婆さんもやっと少し緩んだ感じで。何となくのほほんとしていた。 
お母さんのお墓参りも、とりあえず顔見せ。そんな軽い雰囲気で。遠足気分で行けて。 
やっとお母さんの事を話す時も彼女の声に重さを感じなくなって。聞いていて安心できた。 
俺も仕事に慣れると、月日の経つのが早く感じるようになって。毎月があっと言う間に過ぎて。 
親父が「就職したら一年あっと言う間だぞ」と言ってたのをああこの事かと実感して。 
研修は勤務扱いだったから夏のボーナスがほぼ満額出て。初めてまとまった金額手にして。 
そのボーナスと学生の時の貯金とで車を買った。勿論中古。車検は長かったけど、安かった。 
選んだのは彼女。黄色のキャロル。俺には似合わない。けど彼女が気に入ってたから良しとした。 
それで行動範囲は広がったけど、俺は仕事。彼女は受験の追い込み。一緒に出かける機会も無くて。 
結局初めて長距離乗れたのは、年末に俺の実家に彼女とお婆さんと招いた時で。 
おかんが何ヶ月も前から俺に日程調整して絶対連れて来いとうるさくて。婦長さん拝み倒して。 
発表された年始の勤務表見て。大晦日から正月二日連休貰えてて。胸撫で下ろした。 
去年からの約束だったからとおかんも喜んで、彼女も直に会うのは久しぶりだと喜んで。 
お婆さんは「あんたらだけで行き。」とか渋ってたけど親父と話して。行く事になって。 
「すっごくキンチョーしてます。」「何で?」「だってお兄ちゃんの実家ですよ?」「それで?」 
「か、カレシの実家呼ばれちゃったんですよ?」俺とは違った意識持ってる彼女がいて。 
「ちゃんとしないと。」目が真剣で。何を?とか聞ける雰囲気じゃなかった。
530: :2006/05/03(水) 01:50:38 ID:

大晦日の昼頃出発の予定で迎えに行ったら、もう既にかなり緊張した面持ちの彼女がいて。 
車の中で何がそんなに心配かと聞いたら、その答えは意外にも婆ちゃんと会う事で。 
親父、おかん、婆ちゃん。一人にでも嫌われたら今まで通りではいられなくなるかもしれない。 
そんな風に重く考えてる事を知って。婆ちゃんは歓迎ムードだから心配ないと言っても、 
「ちゃんとしてないとだもん。」考えすぎだとは思ったけど、俺まで少し不安になった。 
家帰り着いて親父とおかんに帰ってきた連れて来たと報告してすぐ、初対面の婆ちゃんに紹介。 
婆ちゃんに何やかや聞かれてその間中、きちんと正座。背筋伸びすぎ。受け答え、丁寧すぎ。 
だんだん笑えてきて、時々視線で牽制されて。お婆さんと二人、笑い噛み殺すのに苦労した。 
おかんが気付いて「今日はよそ行きなの?」って茶化してくれてやっと少し緊張解けて。 
婆ちゃんの「うちの孫、よろしくお願いしますね。」って言葉に元気に「はい。」言って。 
部屋に荷物置きに行った時に「…よかったぁ。」胸の前で、静かに小さく両手でガッツポーズ。 
声弾ませて「これで家族全員公認のカノジョですよね。」その表現には、何か妙に照れた。 
のんびりする為の帰省で特に予定無し。俺と彼女以外は酒入ったから、二人で初詣行って。 
そこで地元の友達と出くわして。「あーあー、帰ってこねぇ訳だよなぁ。」それが第一声で。 
連絡回されて、気心知れてる連中が八人集まって。ファミレスに場所移してそこで彼女紹介して。 
激しく冷やかされたけど、彼女が真っ赤になって俯いたの見て止めて、馬鹿話経由で昔話に。 
彼女は高校までの俺の事を興味津々で聞いてて。都合の悪い所伏せて貰うのに散々頭下げた。 
久々過ぎて長々話し込んでたら、いつの間にか彼女寝こけてて。時間確かめたら朝の四時で。 
先抜けする事にして、彼女おぶって店でようとしたら「結婚式呼べよ!」って誰かの声が飛んで。 
俺もノリで「おう!」って返して店出て。少し歩いたとこで背中の彼女にほっぺたつつかれて。 
「いつですか?」彼女聞いてたみたいで。「…。」「いつ?」「…大人になってから。」「あは。」
俺の首に腕巻いて、また寝入って。首に触れる寝息が暖かくて。なんとなく、遠回りして帰った。
532: :2006/05/03(水) 02:14:59 ID:

41氏キタ─wwヘ√レvv~(゚∀゚)─wwヘ√レvv~─ !! 
毎度乙!!っす。 
腹痛いって起きたらこの流れ。痛み忘れて癒される。 
534: :2006/05/03(水) 03:00:24 ID:

>>529-530 
41氏、乙です。 
淡々と進んでいく日常に安心しつつも、その安心感に胸騒ぎを覚えます。 
今は2002年のお正月でいいんですよね? 

二人の思い出と未来が幸せにみちたものでありますように…そう願わずにはいられません。

コメント

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