ゲーセンで出会った不思議な子の話

名作まとめ


さっそく車のキーを握って車をだそうとした。


766:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 23:30:52.43 ID:x9+/iUde0


すると彼女は珍しくぐずった。
俺はよく分からなくて、車乗らないの?と聞く

彼女「自転車、あるよね…?自転車乗りたい」
俺「あ、そうなんだ。でも2台あったっけなー?」
彼女「そうじゃなくて。二人乗り…しようよ。」

俺「え?」
彼女「ずっとしてみたかったんだ…二人乗り」

 


768:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 23:34:49.85 ID:x9+/iUde0


俺「だめだよ、あぶないし、体に負担かかって疲れちゃうよ…」
彼女「わたし一度も二人乗りってしたことないんだよ…」

そう言われると、弱い。
かくいう俺も人生で一度も二人乗りをしたことがなかった。
だから怖い、ということもあったのだが。

俺「分かったよ。じゃあすぐ近くの俺の小学校まで、だけね。」
彼女「やったー!じゃあグローブ持ってこうよ!」

笑顔になってはしゃぎだすのを見ていると、仕方ないかって思えた。

 


774:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 23:40:03.70 ID:x9+/iUde0


彼女は「どう座るんだ?」ってつぶやきながら荷台にちょこんと座って笑った。

俺「それでいいんじゃないかなw
よし、じゃあ俺が乗るから一回降りて」
彼女「やったー!」

荷台に乗せて気付いたが、彼女は嘘のように軽かった。
家を出て、ろくに車も通らない農道のような坂道を下っていく。

彼女は、とてもごきげんだった。

 


781:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 23:50:21.01 ID:x9+/iUde0


彼女は歌い出した。
「かーみーさーまー!ひとつきいてくれよー!」
それは彼女が好きだった藍坊主のテールランプだった。

俺も楽しくなって、一緒に歌う。
「かーぜーきるー!あしをーぼくにくれよー!」

はたから見たら馬鹿丸出しなんだけど、
もう、どうでも良かった。

 


782:名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 23:51:17.41 ID:kFBf6rpii



せつねえええええええ
なにこれせつねえええええ


787:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 23:55:54.10 ID:x9+/iUde0


彼女はごきげんだった。色んな歌を俺に歌ってみせてくれた。
彼女は歌い終わると、
彼女「こら、拍手しろ!」
俺「どうやってすんだよww」

 

このやりとりを数回に渡って繰り返したw

 


805:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 00:12:11.95 ID:WJObiXhX0


そんなこんなで、近所の俺の母校の小学校に着いた。
土曜だったので、がらんとしていた。
少年野球のチームが、練習している以外、校庭もほかに人はいない。

 

俺「懐かしいなあ~。ここでよく、野球したんだー」
彼女「そうなんだー。すごい広いね…」
無駄に校庭だけは広い小学校だった。

 


807:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 00:18:52.97 ID:WJObiXhX0


彼女は少女のごとく駈け出した。
思いっきり走りだしたもんだから、印象的だった。
あまり息上がるのもよくないのにね…。

彼女「こっちに来て!」
彼女「これ、うんていだよ、なつかしーw」

彼女は無邪気に色んな遊具で遊びはじめた。
彼女は滑り台の階段を上がって、俺が登ると滑り降りた。

彼女「無限ループだ!」
俺「そうなの?w」
こんな調子だった。

 


809:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 00:21:52.50 ID:WJObiXhX0


俺たちは何故か滑り台の無限ループがツボに入ってしまい、
いい年してしばらくそこで笑いながら滑り台に興じた。

俺「いつまで経っても捕まらないww」
彼女「はやく追いついてww」

こんな繰り返しだった。

 

818:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 00:29:48.04 ID:WJObiXhX0


しばらくすると冷静になって二人して、
「え、これ何が面白かったの?」

遠くから少年野球の声が聞こえる。
彼女「ねえ、あの少年野球にいたの?」
俺「うん、懐かしい。もうずっと前のことだけどね。」

彼女はしばらくぼーっと駆けまわる少年たちを見つめていた。
彼女「キャッチボールしよう。」
俺「大丈夫?無理しないでね。」

彼女はまた歌い出す。
「べーすぼーるのおとが鳴ったー、だれもぎゃらりーいないぐらうんどーってね。」
俺「何それ?」
彼女「知らないの?」

彼女は音楽の造詣も深くて、たまに俺の知らない曲も歌う。
そうするとちょっとぐずるんだけど、そういう時は決まって
すぐiPodとかで教えてくれる。

822:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 00:35:54.74 ID:WJObiXhX0


その曲はフジファブリックのベースボールは終わらないだった。
「フジファブリックか…」

その日はその曲にピッタリだった。
晴れ渡っていて、広いグランドに二人だけ。
俺はその曲に則って、「あとで炭酸飲料を買いに行こう。」
というと、彼女はやたら喜んだ。

「いくよ!」
俺がボールを投げると、彼女はしっかりキャッチ。
そしてイイ感じに返してくる。運動神経がよかったのか、
昔からあまり運動が得意でない俺はちょっとだけうらやましくもあり、楽しくなった。

 


825:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 00:37:02.24 ID:WJObiXhX0


1レスに書く量を増やしても、どう考えても次スレにいってしまいそうだ…
どうしよう次スレに行ったらまずいんですかね…?


829:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 00:38:43.84 ID:oFRpJmqF0


>>825
まずくないと思う
むしろ中途半端なのが一番きつい


833:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 00:40:08.80 ID:Z6zgQtM+0


>>825
全然おっけー
むしろお願いします


836:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 00:41:18.87 ID:WJObiXhX0


よく分からないけど、とりあえず1000まで行けばスレ自体は
残ってそのあともこのスレは見れるんですかね?
そういうことなら続けようと思います。


844:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 00:52:18.09 ID:WJObiXhX0


ひとしきり小学校で遊ぶと、俺は彼女を連れて小学校の近くの駄菓子屋に行った。
正直、まだあるか不安だったけど、小学生の時はよく入り浸っていた。

彼女「すごい…こういうのって本当にあるんだね。」
俺「ま、田舎だからね…w」

駄菓子屋のおばちゃんには可愛がってもらった。
おばちゃん「はい、いらっしゃい。」
俺「こんにちは、富澤ですー」
おばちゃん「あら、富澤くん…久しぶりだねえ…」

彼女も笑って、
「こんにちは」と言った。
3人でしばらく談笑した。


849:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 00:58:08.94 ID:WJObiXhX0


おばちゃんは、
「この前〇〇君来てさ…とか、〇〇先生がね…」
と懐かしい話をたくさんしてくるため、俺は楽しかった。

店を出る。
彼女は退屈だったかな、って思うと彼女は買った駄菓子を抱えながら
彼女「すごいね…すごいね。あったかい。こういうの本当にあるんだ。」

とすごく喜んでいた。
彼女「富沢のこともっと知れた気がして嬉しいんだー
これが田舎かーふるさとかー」
彼女は高揚して何度も言っていた。

俺がいつも飲んでいたって教えてあげたチェリオを嬉しそうに飲んでいた。

 


857:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 01:06:29.44 ID:WJObiXhX0


そのあとは、彼女を連れて歩いて、疲れたら休んで、での繰り返しで
そこら一帯、俺にゆかりのある場所をめぐった。

路端の小川を指して、「中学の時この場所によく自転車をつっこんで走って、
水上自転車大会って
言って遊んだんだよ。」とか、
「このお宮にいつも初詣にきたんだ」とか、
「中学の通学路はここで、片想いの子が彼氏と歩いてるの見てショック受けたんだー」とか。

それは、まったく中身のないしょーもないツアーだった。
でも彼女は、「わーすげー!」「こんな感じ?」
とか一つ一つ本当に生き生きとリアクションをとった。

小学校からさほど遠くない母校の中学校まで来て、彼女は突拍子も無いことを言い出す。

 

860:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 01:11:18.56 ID:WJObiXhX0


彼女「毎日、ここの中学校に通ってたんだね…」
俺「そうなるね。いやーなつかしいww」

彼女は正門からの道を指した。
彼女「で、ここを帰ったと…」
俺「うん、そうだね。」

彼女「わたしたち今から中学生ね、同級生の。ひゃーどうしよう。」
俺「ええー!?」
その日は時間が経つのも早く、時分はそろそろ夕方にさしかかろうと
している頃だった。

 

871:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 01:16:32.04 ID:WJObiXhX0


彼女「あ、富澤くんだ…!ねえねえ、良かったら一緒に帰ろ?」
俺「そのノリ続けんのー?」

急にこっ恥ずかしくなった。
彼女はこうなるとひかない。

俺「吹石じゃん…ま、いいよ。帰ろうか?」
彼女「やったー!」

彼女が手を差し出して手をつなぐ。
それまで幾度と手を繋いだことはあったけど、この時ばかりはなんていうか
すごく恥ずかしかった。
ちなみに、自転車は小学校に置いてあった。

 


873:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 01:19:28.91 ID:OETuPCP70



心が揺さぶられすぎて
鳥肌たってる。


875: 忍法帖【Lv=37,xxxPT】:2012/01/17(火) 01:23:36.50 ID:VDgxQ9Thi



もうだめだ
これ以上読むのが怖い


870:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 01:16:23.67 ID:t/bOhu8z0



そういえばゲーセンに会う以前

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