ゲーセンで出会った不思議な子の話

名作まとめ


た。
しかし、ここまで一緒に来てくれてありがとう、と言われた。
とても、申し訳ないことをしてしまった気持ちになった。


234:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 20:06:36.62 ID:WJObiXhX0


大事をとって、彼女は少し横になって休ませることにした。
「富澤とわたしの母校に行くのー!」と言ってきかなかったが、
一番大事なのは体調だ。決まってる。
みんなで説得して、なんとか彼女を寝かせた。
そのかわりに俺は彼女が目覚めるまで家にいて欲しいと言われ、家にいることになった。


しばらく彼女が部屋で寝ているのを見守っていたが、居間におりて
彼女のお父さんとお母さんと話した。



239:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 20:15:22.69 ID:WJObiXhX0


空気は重かった。あまり話すことも見当たらないんだ…
とりあえず俺は、今日はすいません、と真剣に謝った。

母「気にしないでね。」
父「君はいつもいつも、娘の病室にやってきてくれるね。
君が来てくれるから、あの子はいつも本当に楽しくやっていられる。
謝りたいのは、ろくに何もできないこっちだよ。」

俺は、黙っていた。何を言っていいかまったく思いつかなかった。

母「あの子、本当にいつもいつも富澤君のこと話してくれるのよ。
富澤くん、私にもよくマメに連絡くれるでしょ。本当にありがとうね」

真面目な話はこれくらいだった。そのあとは、それを忘れたいかのように
テレビを見ながら、他愛もない世間話をしていたと思う。



245:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 20:27:22.80 ID:WJObiXhX0


しばらくすると彼女が起きてきて、
俺を部屋に手招きした。
「もう、すっかり良くなったから。部屋で話そ」と言われた。


彼女「今日はごめんね…。行きたいところたくさんあったのに…」
俺「それは仕方ないよ。でも吹石がなんともなくて本当に良かった。
それだけで俺は嬉しいよ。
辛い時は、辛いって言わなきゃだめだからね?」



249:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 20:36:21.51 ID:WJObiXhX0


そうすると彼女は揚々と歌い出した。
「愛とはあなたのためだととかいったらー!うたがわれるけどー
がんばっちゃうもんねー!!」
そう歌ってにっこり笑った。それはイエモンのlove love showだった。


俺「頑張っちゃうんだw」
彼女「うん、頑張る。」
彼女「だからさ、今日は聞いて欲しいんだ。」



255:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 20:45:27.80 ID:WJObiXhX0


彼女「今日はわたしの育った場所まわれなかったから、
私の昔話をしますーぱちぱち」
俺「きかせてもらおうじゃないか」俺も若干の悪ノリをしていた。


彼女「結論から言ってわたし中学行けてないです」
そう言って彼女は苦笑いをこぼした。
俺は驚いたけど、「なにかあったんだ?」と優しく尋ねた。



258:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 20:46:33.29 ID:+3epNjof0


>>255
えっ病気・・・?


261:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 20:52:49.72 ID:WJObiXhX0


俺は、彼女の話に耳を傾けることにした。


彼女「わたし、中学の時体弱かったんだーだからね、しょっちゅう
学校休んでたんだー。」
彼女「本当にね、すぐ体壊しちゃうから。でもさ、あまりに頻繁に
学校休んでるうちに、ういちゃってさー」
彼女は笑いながら話しているけど、辛そうだった。



263:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 20:58:03.04 ID:WJObiXhX0


彼女「学校行くとさー。誰もまわりにいなくなってて…
昼ぐらいから行くと、給食泥棒とか言われちゃってさw」

俺は黙って彼女の目を見続けた。

彼女「いじめられてたとか、あんまり言いたくないんだけどさ。
ある日行ったらわたしの机ごとなくなってたんだー。
それで、あれ?学校くるんだ?とか言わちゃって。」

彼女「それから中学には行けなくなっちゃった。」



269:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 21:04:02.79 ID:WJObiXhX0


彼女「その頃なんだなー。友達もいなくてさー。
お兄と一緒にゲーセン行くのだけが本当に楽しかったよ。
アケゲーの人とのつながりとか、楽しさの共有とか、わたしは肌で感じた。」

俺はぐっと涙をこらえていた。

彼女「そこでね、本当に色んな人に会えたんだよ。」
彼女「わたしね、高校からは私立に行ったんだけど」

彼女「てて子、覚えてる?あの子とも本当に偶然ゲーセンで会ったの」



270:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 21:08:02.35 ID:tpYKPcVN0



頑張れ


271:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 21:13:30.08 ID:WJObiXhX0


彼女「中学の時ゲーセンで出くわしてね、当時って、まだそんなに若い
女の子とかゲーセンにほとんどいなかったの。
だからお互いに気になって話したら意気投合して」

俺は話しいることが信じられなかった。彼女にとってゲーセンという存在が
ここまで大きいなんて、にわかには信じられなかった。

彼女「そしたらてて子は中高一貫の私立に通ってる子で、
少し遠いけど私はその高校に行こうって決心した。」



272:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 21:14:29.10 ID:9+mZc5QFO



せつないのう


273:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 21:17:20.83 ID:WJObiXhX0


彼女「当時はね、うちの近くにもゲーセンがあったんだ。
っていうか、今よりずっとずっとあった。今は少なくなったよ。」
彼女「わたしはそこが好きだった。店長さんも優しくて、常連さんもたくさんいた。
たまにヤンキーとかもいたけど、大して気にならなかった。
てて子もね、うちの近くに住んでたんだ。」


俺「今、そのゲーセンは…?」
彼女「ないよ。潰れちゃった。」
彼女は苦笑いした。



301:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 22:23:11.30 ID:WJObiXhX0


彼女「それからは、高校は女子高だったけどとても楽しかったよ。」
彼女「いつもわたしがばかなこと言ってたけどw」

彼女の持ち前の明るさやアホなところはそこに由来するのかなあと思った。

彼女「だからね、わたしこんなにゲーセンが好きなんだー。
なんて言ったらいいか分からないけど。」

彼女は笑いながら話す。
今まで彼女がどうしてここまでゲーセンに入れ込むのか不思議に思うこともあった。
それが解けた気がした。



305:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 22:30:08.67 ID:WJObiXhX0


彼女「わたしね、ゲーセンがあったから楽しい高校に行って過ごすことができたし、
夢を持つことが出来て、美大に進学したんだよ。大袈裟かな?w」

俺「そんなことないよ。すごいと思う。ゲーセンっていいとこだしねぇ。」

彼女「富澤もいたしなあw」
彼女は凄く照れくさそうに、ぽろっとそんなことをこぼした。



306:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 22:30:57.33 ID:PzbDXNom0



あああああああああああああああああああああ
胸がきゅんきゅんするぜえええええええええええ


307:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 22:31:55.89 ID:0S8eC5BA0



ゲーセンにもドラマやロマンがあるんだな


310:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 22:37:22.85 ID:WJObiXhX0


彼女は夢を語りだした。

彼女「ゲーセン減らないでほしい。どんどん減ってる。
わたし、いろんな人が楽しめるアーケードゲームを作るのが夢だった。」

それを語る彼女は、いつにも増して真剣そのものだった。
凛とした視線で、かっこいいとさえ思った。

彼女「ゲーセンでしか味わえないドキドキがあるんだよ。
富澤はどんな時にそう思う?」「わたしはね」

彼女はまっすぐだった。まっすぐすぎて、胸が痛くなるくらいだった。
普段アホなことをけっこう言うくせに、まっすぐで、ひたむきで…
夢を語る彼女に憧れた。



314:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 22:44:27.09 ID:WJObiXhX0


俺は最初こそ笑って聞いていたが、
だんだんくったく無く夢を語る彼女を見ているのが辛くなった。

夢があって、それを追いかけてるってだけで人は眩しく見える。
でも、彼女が置かれている状況を思い出すと、俺はもうダメだった。

俺は夢を語る彼女の前で泣いてしまった。
「すごい…すごいよ…」と言ってボロボロ泣いてしまった。
彼女の前で、泣いてしまった。

彼女「ありゃりゃ、わたしそんな泣くほど感動するほど凄いこと言ったか…?」
と彼女は動揺した。

俺「絶対叶えようね、その夢…」って言いながら俺は泣いてた。
そうすると彼女もぼろぼろ泣き出して、
二人してわんわん泣いてしまった。



316:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 22:46:13.05 ID:PzbDXNom0



全俺が泣いた


318:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 22:47:57.76 ID:tjSVWJwaO



うらやませつない (ノ_・。)


319:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 22:48:02.20 ID:sBTcTbu30



あ、マジで涙出てきた


320:名も無き被検体774号+:2012/01/17(火) 22:49:05.54 ID:DJrGJDj00



やべ泣けてきた・・・


338:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/17(火) 23:05:36.01 ID:WJObiXhX0


泣きながら抱き合った。
この時ばかりは俺も運命という言葉を信じた。
あの日、たまたまゲーセンに行って、偶然彼女を見つけて、
柄にも無く、自分から話しかけた。
あの日、まっすぐ家に帰っていたらどうなっていた?


俺はこの時彼女を一生守ろうと心に決めた。
これからどんなことが待っていようと、決心した。
それと同時

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