ゲーセンで出会った不思議な子の話

名作まとめ


した時くらいだったか

趣味の話になってて俺が言ったんだよ。
「ちょっとね、イラストを描くのが好きで…」
ゲーセンにいた子だし、こういうことにもちょっとは興味を示してくれるんじゃないか
なんて淡い想いもあったわけだが…
「イラスト?」
笑顔いっぱいだった女の子が急に、すごく暗い顔になった。
「ま…その話はいいよ…」
「それじゃ、また…ゲーセンで会えたらいいね…



36:名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 04:37:57.04 ID:dRug4JKb0



気になって寝れない


38:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 04:39:45.17 ID:WuLtuWlB0


予想外だった。連絡先どころか、ほぼ喧嘩別れクラスの雰囲気の悪さで別れてしまった。
イラスト、ちょっとくらいはテンション上って話が膨らむかなと思ったんだけど…

もしかしたら、そういうのが嫌いな人だったのかもしれない、
そう思って俺は落胆した。

「一体あの子は何だったんだろう…?」
キャスケット帽が似合ってたのは覚えてる。でもそんな風貌でゲーセン来るなんて…
俺はすごい気になった。



41:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 04:44:14.53 ID:WuLtuWlB0


いかんせん、俺が人間として少しでも甲斐性を見せるにはイラストしかなかった。
だって、それしかしてなかった…

それから数日経って、俺は再びゲーセンを訪れた。
彼女はまた居た。
その日はLOVをやっていた。その日はなぜかベレー帽。
でもそれも似合っていて、可愛かった。

相変わらず不思議な人だなあ…と思いつつ
俺もおもむろに近くでLOVをプレイし始めた。



42:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 04:46:24.84 ID:WuLtuWlB0


この時、様々な疑問が浮かぶ。

今日は平日だぞ。
俺は講義半日だからいるが。
彼女はなんなんだ?
大学生?フリーター?
同い年くらいに見えるけど…
というか名前も知らないし。

悶々として、ゲームに集中できない。



43:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 04:48:02.92 ID:WuLtuWlB0


LOVの彼女の称号レベルをチラ見する。
やはり、俺よりやりこんでいる。
そして勝率も高い。明らかに俺より上級プレーヤー。
そして勝つと、
「やったね~!」と声を上げる。
相変わらずの奇人っぷりを発揮していらっしゃる。


44:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 04:50:19.69 ID:WuLtuWlB0


ゲームが終わったところで、俺は肩を叩いて、ども、と会釈する。
「あ、来てたんだね~。ジュース買おうぜ~」
などと言い出す。もはやキャラが分からない。
馴れ馴れしいし、
本当に素の時は変な人なんだ。なんなんだこの人。
ますます気になる。


45:名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 04:54:17.21 ID:NW4b4Pql0



寝ようと思ったら面白そうなスレですこと。

さて、ゲーセンいくか



46:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 04:54:44.74 ID:WuLtuWlB0


自販機前で、俺「あ…この前はなんか…すいませんでした」
すると彼女は何が?ときょとんとした顔になった。
俺「ほら…イラストとか言ったら…」
彼女「あ~、あのことはね、ちょっと…」
彼女「私もね~描いてたんだよ、ついこないだまでね!」

俺「絵を描くの好きなんですか?」俺がテンション上げて言うと、
にっこり笑って、「好きだったんだよ。今は描いてない。」
俺「どうして…ですか?ってかアナタって今日も平日ですけど…
大学生さんとか…ですか?」
彼女「ちょっと違うかな」



49:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 04:57:42.98 ID:WuLtuWlB0


彼女「わたしは美大だよ、だから大学生だけど、今はなんというか…」
俺「ええ!美大って…すごいですね…雲の上の人だ…」
彼女「…今は思い出を見に来てるというか」
俺「はい?」
彼女「ここっていい所でしょ」
俺「ゲーセンに…ですか?思い出?;」


52:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 05:01:32.10 ID:WuLtuWlB0


彼女は次第に俺が年下だと気付いて、口調は変わっていた。
俺「え、そりゃどういう…」
彼女「ま、さ!」
いきなり大声を出す。
彼女「一回で知りたいこと全部知れるほど、簡単じゃないよ~」
といってゲームにもどろうとする。
俺「え、そんな…また次もゲーセンに来てくれますよね!?」
彼女「くるくる~まだ浸りたいから」

彼女の言葉はひっかかることだらけだった。
思い出?
その時の俺にはまったく理解ができなかった。

そして美大生。ますます俺は彼女の虜になてしまった。



54:名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 05:03:13.70 ID:dei2nTng0



実に興味深い


57:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 05:04:27.26 ID:WuLtuWlB0


自分にない何かを持ってる人。
よく分からなくて、自分を振り回す人。
きっと俺はそういう人に弱かったんだ。

もともと大好きで通っていたゲーセン、それからは毎日違うときめきと
一緒に通うことになる。
今日はいるか?明日はいるか?
もちろんいつも会えることはなく、会えない日のほうが多かった。
もしかしたらもう2度と会えないんじゃないか…
そんな風に思うこともあった。



58:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 05:06:57.98 ID:WuLtuWlB0


と、今日はそろそろこの辺で寝ます~
明日は事情であんまり描き込めないかもしれませんが頑張ります…
月曜にまとまって書けると思いますので、すいません…


59:名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 05:07:56.60 ID:UNsJdFg90



おつ
また頼むぞ


60:名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 05:08:31.98 ID:DwYZ6jvr0



楽しみにしてる


64:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 05:11:04.71 ID:WuLtuWlB0


すいません…明日も夕方あたりに少しでも書き込めたら書きます…
変な時間に立てちゃって申し訳ない


66:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 05:39:06.85 ID:WuLtuWlB0


案外眠れないのでちょっとだけ書きます


68:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 05:41:52.29 ID:WuLtuWlB0


何日か通っていると、彼女は再びゲーセンに現れた。
またベレー帽を被ってたんだけど、いつもと様子が違った。

服が作業着っぽいのか、インクやアクリルがついてて、
靴にいたっては絵の具だらけに汚れていた。
LOVをする手も、絵の具で汚れているようだった。



69:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 05:43:25.66 ID:WuLtuWlB0


俺はもうときめいちゃって、ワクワクして話しかけた。
「こんにちは~」
彼女「うん…」

いやにテンションが低かった。
明らかに何かあったかんじではあった。
でもまあいつも変な感じではあるんだけど、その日はなんか、落ち込んでいた。



70:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 05:45:14.38 ID:WuLtuWlB0


ゲームに負けても独り言言わない。
ただ黙ってひたすら…
その横顔が自分とは違うちょっと大人に見えた。

俺「一戦終わったら、休憩しませんか?ね。」
彼女「そ、そのとおりであるね~」

やはり変ではあるが。



71:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 05:47:42.66 ID:WuLtuWlB0


俺「今日は大学で絵でも描いてきたんですか?」
彼女「いや…大学はもう卒業間近だし、関係ないね~」
俺「あ、そういえば美大って…!どこに就職するんですか?」
おれは無邪気な期待で聞いただけだった。

彼女「……。」



76:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 05:59:23.16 ID:WuLtuWlB0


彼女「就職はね…ちっちゃいデザイン会社で…」
俺「うわ、デザイナーじゃないですか…!すごいですね!」

彼女は笑った。
彼女「ありがとう~そんな風に言ってくれるのは君だけだな。」
彼女「でもなぁ、もどりたいなあ。君くらいの時に」

俺「どうしたんですか?何か夢があったんですか…?」

今思えば、ずけずけと聞きすぎだった。

彼女は泣いてしまっていた。
彼女「辛いなあ…君といると。名前なんてんだっけ?」
俺「富澤です…。」(仮名、サンドウィッチマンに似てるので)
彼女「そっか、わたしは吹石っていうんだ…」(吹石一恵に似てるので)



77:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 06:02:44.07 ID:WuLtuWlB0


彼女「君は絵が好きなの?」
俺「好きです…下手ですがそればっかやってます…」

彼女「あははは、そうなんだ。」

そうするとまた泣いてしまって、
彼女「ごめんね…もうゲーセンにも来れないかも。」
そう言って夜の街に飛び出していった。



78:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 06:04:28.99 ID:WuLtuWlB0


あ、すいませんそろそろ限界です。
それではまた夕方にでも…ごめんない…


80:名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 06:09:33.49 ID:LvVXzZMz0



はよはよ(´・ω・`)


82:名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 06:17:37.28 ID:F0WtCt+K0



きになるうううう


83:名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 06:49:38.57 ID:oL42weJb0



これは続きの気になるスレ


84:名前:名も無き被検体774号:2012/01/15(日) 07:17:05.49 ID:CFpcLodB0



続き待ってます

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