◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 23:24:49.79 ID:WuLtuWlB0
こんばんは。
思ったより早く帰れた。
みんなありがとう。少しだけど、書かせて頂きますね。
310:名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 23:27:44.58 ID:PlvqQnxo0
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
315:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 23:33:14.89 ID:WuLtuWlB0
散歩から帰ると、病室に一人の女の子の姿があった。
どうやら、彼女の高校時代の友人らしかった。
彼女「てて子…」(名前は仮名です。LOVの彼女のお気入りの使い魔から)
友人「心配してたよ…」
俺「こんにちは」
俺は空気を読んで席を外そうとした。すると、
彼女「いていいよ…」
彼女がそういうので病室に残ることにした。
316:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 23:36:50.00 ID:WuLtuWlB0
彼女たちは懐かしい話に話を咲かせていた。
でも終始、彼女が病気の話に触れることはなかった。
そして30分くらいしたらだろうか、友人さんはお見舞いをおいて去っていった。
見たところ、癌のことすら知らななそうだし、彼女の病気について知らなそうだった。
俺「友達には、病気のこと話してないの?」
彼女「うん、てて子だけだよ。それに癌とか知らない。すぐ治ると思ってる。」
317:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 23:38:44.86 ID:WuLtuWlB0
俺「誰にも言わなくていいの?」
きっと俺が同じ状況になったら多くの友人に言ってしまう。
彼女「心配かけたくないじゃん。普通、みんなビックリしちゃうよ。
本当に少しの人が分かってくれてれば、それいいんだから」
彼女はとても優しい口調で言った。
321:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 23:44:45.43 ID:WuLtuWlB0
その少しの人に、俺が入っていたのは、嬉しくもあり、
なんとも言えない気持ちだった。
この子はもし俺がいなかったら、誰にも言わず、家族だけに頼って、
そう思うとなんだか辛くなった。
それからの日々は割と穏やかだった。
彼女は病院から離れられなかったが、俺は大学をできるだけ抜け出し
なんとか毎日でも彼女に会いに行った。
323:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 23:48:25.22 ID:WuLtuWlB0
花が好きだったから、けっこうな頻度で花を買っていった。
彼女のお気に入りの花はトルコギキョウという花だった。
俺が偶然花屋さんで見つけて買っていった花を、彼女はとても気に入ってくれた。
青と白の色合いが綺麗な花だった。
でも毎回なるべく違う花を買っていった。
そして病室で二人で「花擬人化ごっこ」
をして持っていった花を女の子の絵にして遊んでいた。
324:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 23:52:41.16 ID:WuLtuWlB0
よく笑った。花を持って行くと彼女は決まって
満面の笑みになって喜んでくれた。
彼女「今日はどうしよっかなー」
なんて言ってふたりで花を見て絵で遊んで、
本当に彼女が病気だってこと忘れるくらいに楽しかった。
326:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 23:54:46.07 ID:WuLtuWlB0
でもいつもいつも調子がいいわけじゃなく、
日によっては行っても起き上がることすら辛い日もあって、
そうすると俺はふっと病気のことを思い出して途端に辛くなった。
そんな日も俺はお母さんに言って、持っていった花だけは
花瓶に入れるようにしていた。
328:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/15(日) 23:58:58.77 ID:WuLtuWlB0
ある日、いつものように病室に向かうと、
やたらテンションの高い彼女がいた。
彼女「ねえねえ、聞いてよ聞いてよ!」
俺「あらら、元気だね。どうしたの?」
彼女「外泊許可がもらえたよ!五日間!」
俺「本当に!?」
彼女「嬉しいなあ。2日間はおうちに帰るけど、わたし三日間は富澤といるよ!」
俺「本当に!」
341:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 00:21:28.68 ID:x9+/iUde0
彼女「デート行きたい!デート!」
俺「いいね、いこういこう。」
彼女「ゲーセン行こうよ、ゲーセン!」
こんなに元気で明るい彼女を見るのは久しぶりだったので、
俺はすごく嬉しかった。
どうにか彼女をたくさん楽しませてあげたい、そういう風に思った。
342:名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 00:23:29.33 ID:cGKiHjoj0
もう涙しかでないすわ。f5がきついっす
343:名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 00:23:38.59 ID:+acmGupP0
すでに涙腺が決壊しそうなんだが…
345:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 00:24:34.16 ID:x9+/iUde0
二人で、三日間何をするか考えふけった。
彼女はゲーセンに行きたくて、俺と普通のデートが一度してみたかったのだという。
そして、俺の生まれ育った街が見たいということで、俺の実家に来たいということ。
この二つだった。
彼女は多くを望まなかったし、贅沢も言わなかった。
何か欲しいものとかないの?
と聞いても、「ただ一緒にいたい」と言うだけだった。
346:名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 00:24:41.50 ID:aS8Wbu6T0
涙やばい
彼女可愛すぎだろ…
349:名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 00:27:43.73 ID:SEuKli0k0
彼女かわいすぎる;;
353:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 00:32:55.02 ID:x9+/iUde0
もしかしたら、最初で最後のデートになるかもしれない。
俺は覚悟していた。
この、外に出られる、普通に過ごせる三日間で彼女を最高に笑わせたいと思った。
俺は色々考えた。プレゼントを買うために、貯金を下ろした。
何を買うか、迷ったが、COACHの帽子をあげることにした。
彼女はCOACHが好きで(と言っても財布しか使っていなかった)、
きっと帽子なら喜んでくれると踏んだ。
355:名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 00:36:19.96 ID:qXuEQoPE0
スレが愛に包まれております
356:名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 00:37:07.17 ID:WdAtM8AuO
あぁこの世は理不尽だよ・・・ちくしょう;;
359:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 00:37:42.57 ID:x9+/iUde0
当日まで、ドキドキとした。何をどうすりゃいいのか。
彼女にデート初日でやりたいことを聞いた。
彼女「ゲーセンに行って、そのへんフラフラするー」
俺「え、そんなんでいいん?」
彼女「特別にどっか行くより、そっちの方が普通のデートっぽくていいじゃん」
彼女「学校帰りに一緒に帰るくらいの日常さで、いいんだよ」
彼女はにこにこしてそう言う。
彼女が望むのなら、俺もあまり気張りすぎないようにしようと思った。
364:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 00:58:49.39 ID:x9+/iUde0
その日が迫るごとにあたふたした。
実家に、女の子連れてくよって電話した。病気のことは伏せた。
前日に、意気揚々とCOACHに帽子を買いにいったが、あいにく売っていなかった。
彼女が一番好きなブランドはCOACHだった。COACHで帽子が欲しかったのに…
俺「あの…帽子が欲しいんですが…COACHのニット帽、被ってる人見たことあるんです」
店員「もうしわけございません…それはこちらの店頭では…」
あきらめられなかった。
俺は店内を見ていると、ハートの可愛いネックレスを見つけた。3万くらいした。
帽子を買うつもりでそんなに金は使うつもりではなかった。
でも俺はそのネックレスを買った。
しかし、この選択は正解だった。
366:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 01:03:08.02 ID:x9+/iUde0
いよいよその日になる。
俺はリュックにプレゼントを忍ばせて、いつ渡すか決めかねていた。
お父さんとお母さんに挨拶した。
お父さんは優しそうに笑っていた。
「よろしく、頼むね。」
俺「はい、彼女のことは、任せてください。」
彼女「じゃーね、いってくる!」
俺もニヤニヤしていたけど、彼女も始終にこにこしていた。
楽しい、忘れられない三日間が始まる。
371:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 01:07:50.15 ID:x9+/iUde0
正直不安もいっぱいだった。
突然体調が変わったら?彼女に何かあったら?
でも彼女は俺のこと信頼して、全てを俺に預けてくれたんだろう。
もしもの時のために病院の番号もメモったし、お父さんとお母さんの番号も分かってる。
きっと、どうにかなる。とにかく彼女といられる時間を大事にしようと思った。
374:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 01:12:32.33 ID:x9+/iUde0
彼女「電車のろ!電車電車!」
俺「え、タクシーとかでもいいんだよ?」
彼女「そんなんセレブなデートないよw」
俺「まあこの時間なら人も少ないしね。電車に乗ろうか。」
駅に着く。彼女は大声を出す。
彼女「わわ、電車だよ電車!いいなあ懐かしいなあ!」
俺「なんだかいいね、こういうの。すごい不思議な感じ、至って普通なのにw」
ずっと、病室でしか会えなかったものだから、色々と新鮮に映った。
電車に乗っただけで、なんだかとても嬉しかった。
383:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 01:18:29.16 ID:x9+/iUde0
電車ではしゃぐ彼女はどこかヘンテコだったけど、
どう見ても普通の女の子にしか見えなかった。
この小さい体に、色んなものを抱えてると思うと、悔しかった。
電車内には同じような年齢の女性もたくさんいて、それを見てると複雑な気持ちになった。
俺「どこ
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