デカルト「方法序説」の感想【我思う、故に我あり】

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「我思う、故に我あり」で有名ですが、それだけではありません。

デカルトのバランス感覚に富んだ知性が各所に感じられる作品です。

本記事では、「方法序説」の魅力について記します。

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デカルトとは

デカルトのいらすと

デカルトは16世紀後半から17世紀前半にかけてヨーロッパで活躍した哲学者・数学者です。

フランスに生まれ、ドイツ、オランダと渡り歩きました。

「近代哲学の祖」として知られています。

数学者としても一流です。

たとえば、定数を表した文字(a,b,cなど)を、未知数を表した文字(x,yなど)より先に置く表記方法はデカルトが考案しました。

「方法序説」とは

方法序説はデカルトの最初の著書であり、彼が41歳のときに出版されました。

正式のタイトルは「理性を正しく導き、学問において真理を探究するための方法の話(方法序説)。加えて、その試みである屈折光学、気象学、幾何学。」です。

この論文の冒頭部分が「方法序説」です。これに屈折光学、気象学、幾何学の論文が続く形式です。

方法序説の主な内容

方法序説の正式名称は、「理性を正しく導き、学問において真理を探究するための方法の話」です。

デカルトは学生時代に哲学から数学、天文学、人文学、さらには占星術まで様々な学問を修めました。しかし、どの学問も疑いを免れない不確実な部分があると気づきました

たとえば、彼は著書中でつぎのように述べています。

哲学は幾世紀も昔から、生を享けたうちでもっとも優れた精神の持ち主たちが培ってきたのだがそれでもなお哲学には論争の的にならないものはなく、したがって疑わしくないものは一つもない。[中略]他の諸学問については、その原理を哲学から借りているかぎり、これほど脆弱な基礎の上には何も堅固なものは建てられなかったはずだと判断した。

「方法序説」p16 l5 デカルト著・谷川多佳子訳 岩波文庫

そこで、デカルトは疑うことができないような絶対的に正しい真理の探求をはじめました。

デカルトは一見疑いを向ける余地がなさそうな数学すらも疑ってかかりました。

そして、デカルトは疑うことができないただ一つの真理にたどり着きました

それは、何かを疑っている自分自身です。

何かを疑っている自分自身を疑ったとしても、自分を疑っている自分自身は存在するからです。

これが、いわゆる「我思う、故に我あり」の考え方です。

この真理をもとに、デカルトは神や外界の存在について持論を展開します。


↓エンゲルス「空想より科学へ」の要約・感想はこちら

s方法序説のおもしろいポイント

3つの格律

デカルトは「我思う、故に我あり」の原則を定立するまえに、当座の道徳原則を考えました

絶対的に確かな真理から導かれる道徳原則がないにしても、しばらくの間立脚する原則が必要だからです。 そこで、次に掲げる3つ原則を彼は打ち立てました。

それらには、デカルトのバランスのとれた思考力が如実に現れています。

現代の自己啓発本に書かれていても不思議ではない内容です笑。

1、自国の法律と習慣に従うこと

自らの思考に対して徹底的に疑いを向けていたデカルトは、私見の価値を無とみなしていました

そこで、良識のある有識者の決定に身を任せることにしました。

デカルトは極端な有識者の意見を嫌い、穏健なものだけを選びました。

なぜなら、極端な思想に傾倒すればその意見と反対の意見のほうがよいとわかった場合、大きな思想の方向転換を強いられるからです。

2、自分の行動において、できるかぎり確固として果断であり、どんなに疑わしい意見でも、〜一貫して従う

デカルトはいくつかある選択肢のうち正しいものがわからないとき、もっともらしいものを選び失陥して従うべきだと主張しました。

一箇所に止まるよりも、一貫して行動すれば何らかの結果を得ることができるからです。

3、世界の秩序よりも自分の欲望を変えるように努める

完全に自分の範囲内にあるものは自分の思想の中にしかないということです。

たとえば、努力したにも関わらず結果がでなかったら、それはどうにもならないものとみなすべきだとデカルトは説きました。

そして、そうすればあらゆる執着から脱し得ると説きました。

まとめ

デカルトの方法序説はあらゆる既成概念を疑うことで哲学原則を打ち立てるというものです。

難解な記述がおおく、読むために多少の集中力を要します。

ただ、常識を徹底的に疑うというデカルトの思考法に刺激をもらいました。

方法序説でデカルトは哲学理論を解説するだけでなく、彼の人生や思考法についても興味深い記述をしているので、ぜひ文庫本を手に取ってみてください!

コメント

  1. […] […]

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