wktkwktk


591:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 19:00:54.78 ID:x9+/iUde0


妹からだった。
俺には一つ年下の妹がいる。

内容の趣旨としては、
「兄貴今日女の子連れてくるんだって?期待しとるわw」
みたいな感じだった。

おちょくっていやがる。基本仲悪くもなく、
実家に帰れば一緒にゲームしたりもするし、なにぶん
妹自体も少しオタクなので、気が合う兄妹ではある。



594:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 19:08:08.03 ID:x9+/iUde0


俺「午後からどうしよっか。電車の時間までは、けっこうあるんだよね。」
彼女「買い物行きたい!本屋さん行こ!」

俺「え?本屋さんでいいの?」
彼女「間違いない」(長井秀和のマネ)
俺「なっつwww」

彼女のこのあたりはもはや言うまでにもあらずだったけど、
彼女はよく芸人のマネをしては笑っていた。



598:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 19:14:21.73 ID:x9+/iUde0


まあ入院生活も長いわけだし、きっと欲しい本とかもいっぱいあるんだろう。
そして書店に赴く。

彼女「ひれーっ!」
俺「俺も初めて来たけど大きいね…」

彼女はコミックコーナーに駆け出す。
そしてずーっと俺の手を引っ張って、
「これ、〇〇さんの本、すごく好きなんだ~
あ、〇〇さんの漫画、これは作画綺麗で…」
という風に喋り疲れるんじゃないかって思うくらい話す。

俺「大抵本屋とか一人で来るけど、一緒に来ると
好きな本のこととか話せて楽しいね。」



601:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 19:19:56.77 ID:x9+/iUde0


俺自身、正直にそう思った。
俺も普段から本屋巡りとかが好きで、好きな絵柄の作家さんとか
見つけたりするのが好きだった。
でも一人だどこか寂しい部分もあった。

それを彼女と共有するのは楽しかった。

彼女「でしょーじつはこういうとこに二人で来てみたかったんだよね…」
彼女は照れくさそうに言った。

彼女がどうして普通のデートがよかったのか
なんとなく分かったような気がした。



606:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 19:28:15.36 ID:x9+/iUde0


俺たちは、笑うときもそうだけど、お互い語りだすと止まらない。
格ゲー談義をするときもそうなんだけど、どのプレイヤーが強いかとか、
そういうことを夢中になって語る。

彼女は、俺のオススメの本を教えて欲しいというので、俺も彼女に負けじと語った。
言っても言っても、「他は?」「全部知りたい」
と言ってきかないのでキリがなかった。

彼女「富澤オススメの本、全部読みたいな…」
俺「よし、今度持って行ってあげるね。」
彼女「そんなー悪いよー」
俺「ほんとは?」
彼女「待ってました…w」
彼女は苦笑いと共に本音を漏らした。



610:名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 19:32:31.63 ID:yTAqbMnj0



やだよぉ…もうやだよぉ…

……あぁぁぁぁぁあ!!!!!!



614:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 19:42:39.01 ID:x9+/iUde0


すいませんちょっとだけ休憩します

平井堅ってレスがあったのでyoutube見に行ったら自爆してしまいました
すいませんすぐ復帰します



628:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 20:02:12.84 ID:x9+/iUde0


電車までひとしきり時間があったので俺はその後
プラネタリウム行く?とかどっか美術館行く?とか聞いた。
けど彼女の答えは違った。

彼女「1時間だけカラオケに行きたい」
俺「ああいいねーそれ。座ってると負担もすくないもんね。」

カラオケに行くと、どんな感じになるんだろうと思ったけど、
彼女のレパートリーは実に豊富だった。
お互い真剣に歌うというよりふざけてばかりだった。

二人してテニミュを空耳で歌ったり、盛り上がる曲で合いの手を
入れあったりして、はしゃぎ倒した。
彼女は疲れちゃうんじゃないかって、心配になるくらいだった。



630:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 20:05:56.65 ID:x9+/iUde0


楽しい時間なんてあっという間なもんで、電車の時間が迫った。
カラオケでクーポンみたいなものをもらった。
マックでもクーポンみたいのをもらった。
そういうものをもらう度、俺は
「次があるのかな…」と一人で思った。


631:名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 20:07:08.68 ID:WvOioCSV0



お、再開してる


632:名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 20:08:00.51 ID:iBjEHxqbi



これは悲しい


636:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 20:10:30.84 ID:x9+/iUde0


電車、特急列車。
俺の地元にむかう電車だった。
俺の地元までは特急で2時間くらいだった。

彼女「わーなんか旅って気がしてきました!」
俺「楽しいよねー」
彼女はそそくさと売店に向かった。
そしてじゃがりこを買ってきてドヤ顔で俺に見せつける。

彼女「旅っつったらこれでしょ!」
俺「車内販売もあるんだけどねぇ」
彼女「マジか!」



639: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】:2012/01/16(月) 20:12:40.60 ID:RRCRM1tb0



映画化決定!


645:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 20:23:21.17 ID:x9+/iUde0


特急に乗る。
最初こそ彼女は特急ってすげえ駅すっとばすよね!
とか言って元気だったんだけど、そのうち疲れちゃったのか、
しばらくするとすっかり眠ってしまった。

俺は、しばらく静かな時間を過ごすことになる。
よこの彼女を見ると、色々と、思うものがあった。



648:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 20:26:22.58 ID:x9+/iUde0


少し油断すると、こんな日がずっと続くと錯覚してしまう。
この三日間が終わった先にはどんなことが待っているのか…

考えたくなくても、嫌でも脳裏をよぎった。
ここで、俺は本当に泣きそうになる。
そして彼女に分からないように泣いてしまった。

特急の指定席で、一人で号泣した。
どうしてだったか分からないけど、すごく悲しかった。



651:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 20:34:25.78 ID:x9+/iUde0


こんなんではいけない。俺は、思いついた。今だ、と。
寝ている彼女の首に、気付かれないように、プレゼントのネックレスを巻こうと思った。
窓によりかかっていたので、すきまがあってた。
起こしてしまうかハラハラしつつも、どうにかこうにか彼女にネックレスを
つけることができた。

ビックリするかな。俺は不安と期待でドキドキした。



654:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 20:37:23.72 ID:x9+/iUde0


駅に着くまで彼女は熟睡していた。
ここまで上手くいくと思わなかったけど、しかしよく寝ていた。疲れたんだろう。

駅に着くアナウンスが流れる。
俺「さ、着いたよ。起きて起きて。」
彼女「え、あ…」

寝ぼけている彼女の手を引いて、俺は彼女を誘導した。



655:名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 20:40:00.21 ID:cOF2U+4D0



これは・・・>>1ナイス!!!


656:名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 20:40:05.66 ID:2apkvwPH0



イケメンだな>>1


657:名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 20:40:49.81 ID:MFtf8uY80



いち おまえ かっこいい


662:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 20:42:26.71 ID:x9+/iUde0


ホームに降りると辺りは暗くなり始めていて、宵の口と言ったところだった。

彼女は降りると、う~んと伸びをして「よく寝た」とつぶやいた。
俺はドキドキだった。

彼女「わ!なにこれ…ネックレス?富澤?」
俺は「魔法だよ、きっと」と言うつもりだった。でも、

俺「誰かのいたずらか…?」
意味が分からないw



665:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 20:45:54.81 ID:x9+/iUde0


かっこいいこと言おうとしたのに、彼女にこっちを見られると恥ずかしくなって
ついついおかしなことを言ってしまう。

彼女「えーww富澤でしょーwこれ可愛いなー。」
俺「うん…プレゼントだよ。すっごい似合ってる。」

本当に似合ってた。自分の選んだネックレスをつけている姿が、
とっても、微笑ましかった。



666:名も無き被検体774号+:2012/01/16(月) 20:46:07.96 ID:+vfrWPE90



もう>>1がかっこよすぎて見てるオレが辛い…
続けて下さい…


667:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 20:50:32.37 ID:x9+/iUde0


瞬間、彼女は俺に抱きついてきた。

俺はビックリして心臓飛び出るかと思った。
俺「ぅお…!」ビックリして、変な言葉が出る。

彼女「ありがとう。絶対絶対、大事にするよ。」

勇気を絞って、俺も抱きしめた。
思えば、人生で始めて女の子を抱きしめた瞬間だったと思う。
とっても暖かくて、大事なものだって気がした。



673:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 20:56:02.63 ID:x9+/iUde0


高校時代毎日使っていた見慣れた駅のホームの真ん中で、
俺は確かに人の温かみを感じた。

人なんてほとんどいなくて、駅のホームには俺と彼女だけだった。
向いのホームに高校生がいたが。

しばらくその状態で、彼女がいきなり
「充電完了だー!」
と大声をあげるものだから、ぱっと手を離した。



678:1 ◆WiJOfOqXmc:2012/01/16(月) 20:59:56.61 ID:x9+/iUde0


改札をくぐる、なんだ