「あは。いっぱいします?」

名作まとめ

663: :2006/05/12(金) 01:44:16 ID:

大晦日と元日とのんびりして貰って。帰り際に親父と婆ちゃんは彼女にお年玉渡して。 
部屋帰って二人になった時に「お年玉もらったの初めてなんです。」興奮気味で早口になってて。 
喜びように驚いて用意しとけば良かった何て事を言ったら「それ変ですよぉ。」笑われて。 
「カレシから貰うのは変です。」言い切られると渡せる感じでもなくて。親父達に嫉妬した。 
その中身確認して「…わ。こんなにいいんですか?」かなり驚いて、困ってもいて。 
親父とおかん連名と、婆ちゃんから一万円ずつで二万円。自分のお金として持つのは初めてだと。 
何か欲しい物あったら買っちゃえば?そう言って連れ出したけど、行ったのは文房具屋と銀行。 
印鑑買って通帳とカード作って「オッケーです。」何がオッケーなのか解らなくて聞いたら、 
高校入ったらバイトするから必要になるし「アルバイトしてた方が就職有利みたいです。」 
先見すぎと思ったけど大真面目に考えていて。俺にとっては部活やって遊ぶ時間だった高校生活は、 
彼女にとっては就職までの足掛かりになる期間という位置づけ。歴然たる意識の差。 
姿形は普通よりかなり小柄な中学生なのに、思考は二十歳過ぎた社会人の俺よりもかなり大人で。 
ギャップ激しくて。どう接してればいいのか解らなくなりかけて、時々悩んだ時期だった。 
お年玉は何に使うでも無く「無くなる予定が無いお金です。」通帳眺めて嬉しそうにしてて。
俺が十五の正月に貰ったお年玉の使い道を思い出すと、あまりに子供っぽくて恥ずかしさ感じた。 
ふと気になって「入試大丈夫?」言ってみたら「ちゃんとやってますよ。」自信ありげで。 
「心配しなくていい?」「ですよ。」「ホントに?」「って思ってないと。」やっと少し本音で。 
選んだ学校はまず落ちないレベル。でも周りは塾とかでどれだけ伸びてるか解らないのは、不安。 
俺や親父達やお婆さんが進学勧めて。進学決めたら一緒に行こうと喜んでくれた友達もいて。 
「落ちれないですね。みんな期待してくれてるし。」重荷にならなければいいなと思ったけど、 
「制服かわいいし。」付け足して。「まさかそれで?」「あは。ちょっと。ちょっとですよ。」 
自分から頭持ってきて。手、乗っけて。そういうのもアリかなと、余分に撫でた。
665: :2006/05/12(金) 01:45:31 ID:

二月の半ば過ぎに入試。入試前には同じ学校受ける友達を市営に呼んで一緒に勉強して。 
彼女の学校での事は最初に聞いた時に微妙な雰囲気になって以来聞けなかったけど、 
ちゃんと仲いい友達がいて楽しく過ごせてるってのは感じられて。それには安心して。 
でも集まると話し始めるのは仕方の無い事らしく。身が入ってる様子は無いとお婆さんは笑って、 
「なるようにしかならんからね。」気負ってるよりは安心してられると。俺もそう思う事にした。 
彼女は「見たいって言うから。」と俺の部屋に友達連れて来たりもして。 
後で「大きいー。」「怖くない?」その二つは必ず言われると笑って。だろうなと納得した。 
入試の前日に「入学祝い何がいい?」フライングして聞いたら「制服です。」って答えで。 
その時着てた中学の制服ちょっと持って「これ、着れなくなるし。」少し寂しげで。 
お母さんに買って貰った最後の服。思い入れはあっても中学出て着続ける事は出来ない。
「高いけど、いいですか?」「いいよ。」彼女から買って欲しい物の指定があったのはそれが最初。 
制服ならサイズ合わせだけだから選ばなくていいのに少し安心した。 
合格発表当日。たまたま休みが合ったから、一緒に見に行く事になって。彼女も友達も一緒で。 
女の子四人連れて徒歩で高校まで。殆ど引率。みんな全然緊張感無くて。拍子抜けして。
理由聞いたら「今年三人しか落ちないから。」だから大丈夫。でも逆に残酷な状況でもあって。 
掲示板に結果張り出されて、すぐ彼女と友達三人とは番号見つけて喜び合ってたんだけど、 
大泣きしてる男子がいて。仕方の無い事だけど、気の毒に。そう思ってたら急に振り向いて。 
「生活保護!学費どうすんだよ!就職じゃねぇのかよ!迷惑なんだよ!!」一瞬で周囲の空気凍って。 
こっち突っ込んできて。先生とか周囲の男子が止めに入って。それ後目に、足早にその場離れて。 
彼女に視線落としたら、俺の腕引いて「慣れてます。」かける言葉無くて。軽く肩抱いて。 
彼女が動かないから俺も動けないでいると、彼女の友達が「はい、交代。」と、手挙げて。 
「ダメ。」「あ、ケチ。」「私の。」「はいはいそーだよねー。」笑わせてくれて。 
やっとまた喜び合えて。合格と、良い友達いてくれた事。二重に嬉しかった。
666: :2006/05/12(金) 01:48:04 ID:

あの時彼女に罵声浴びせた男子は、学校でも同じ感じで、彼女が進学取り止めれば、 
自分が繰り上がるんじゃないかと思って、付け回して怒鳴りつけて何て事もあったらしい。 
「親いねぇから怖くねぇ。」と放言してたとも。でも彼女は俺に何も言わなかった。 
俺はそれを、一緒に合格発表見に行った中の一人と携帯で話して知った。 
ただ周囲もその男子の行動を異常と見て彼女と二人にするような事は無かったし、 
教師も事態を重く見て男子呼び出して指導したりと言う事もあったけどおさまらないで、 
「すっごい嫌味なハゲ」の先生がHRの時に担任でもないのに来てその男子立たせて、 
「繰り上がりなんか無いよ。バカがみっともない逆恨みすんな。」直接言ったそうで。 
「惨いけど、何かスッキリしました。」それ以来は何もしなくなったと、笑って。 
「黙って我慢するからチョーシ乗らせちゃうんですよ。」我慢強すぎるとも言って。 
彼女の「慣れてます」って言葉と、そんなが事あっても俺には何も言わなかった事。 
やっぱり嫌な思いして、それ押し殺してた事もあったのかなと考えると、やっぱり情けなくて。 
何もせずにいられなくて、彼女帰ってきたらすぐ制服買いに連れて行って。 
採寸して貰って一揃い。試着してはしゃぐ姿見て嬉しくて。ネクタイの結び方知らなくて、 
部屋帰ってから教えながら「他に何かない?」「他に?」「進学祝い。」彼女、手止めて。 
意外な顔して振り向いて「なんでもいいんですか?」「いいよー。」軽い気持ちで言ったら、 
「んじゃ、高校入ったらもう少しカノジョ扱いしてください。」何かやたらと困る事言われて。 
友達に「三年も付き合って何も無いのはゼッタイに変。」と言われまくったらしくて。 
俺に反論とかする暇も与えずぺこ、と頭下げて「お願いします。」何よりも困る事柄で。 
「…そのうち。」曖昧な言葉返したけど彼女も突っ込んでは来ずに。照れ笑いしてた。
669: :2006/05/12(金) 02:39:28 ID:

>>663>>665-666 
41氏、乙です。 
無事合格したんですね、良かった。。。あは嬢にちゃんと友達がいて安心しました。 

しかしその男子生徒は、あは嬢に酷いことしたよね(´・ω・`)許せねぇ!

676: :2006/05/12(金) 14:27:24 ID:

41氏キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!! 
応援してます! 

あは。

677: :2006/05/12(金) 17:14:11 ID:

最近まで仕事でいっぱいいっぱいで、子どもとも遊べずイライラしてた。 
ほんとは家族に甘えたい自分がいて、でも嫁に八つ当たりとかして。 
でも偶然ココ見つけて、あは嬢読んで少しほっとして、なんだか嫁にもやさしくなれた。 
気持ちにも少し余裕出て。 
そうすると不思議と仕事もうまくいって、休みとれて。 
41氏に感謝した。 

680: :2006/05/12(金) 20:42:25 ID:

>もう少しカノジョ扱いしてください。 
俺これ言われたら即チューするが。
681: :2006/05/12(金) 21:08:12 ID:

てか、41氏・・・  

あは嬢がいるのにあは嬢の友達のケイタイ番号ゲットしちゃダメ!!!

コメント

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