こんにちは。
ここでは私が好きなアニメ・小説の話をすこし。
私が大学1回生の時、バイトばかりに時間を費やし無為な学生生活を送っていました。
世の大学生がキラキラとしたバラ色のキャンパスライフを送っているのを横目に、自分は友好関係も狭くなんとなく惰性で過ごす日々。
そんなとき出会ったのがこの四畳半神話大系。
きっかけなんてものは無きに等しく、ただ作画がよくておしゃれなアニメ楽しみたいと考えていたところちょうど目に入ったのがこのアニメだったから。
ところがそんな四畳半神話大系に魅せられ、気づけば大学二回生の秋に一人で京都に向かい京都大学の編入試験を受験していました(落ちたけど…)。
とはいえ、私の人生に多少なりとも影響を与えたことにはまちがいありません。
そんな四畳半神話大系の魅力や感想、視聴して考えたことなどを綴っていきます。
ネタバレもバンバンしていきますので、それでも構わない方だけご覧になってください。
四畳半神話大系のあらすじ
まずは軽くあらすじを紹介しておきます。
アマゾンプライムビデオに掲載されているものがこちら。
「大学三回生の春までの二年間、実益のあることなど何一つ していないことを断言しておこう」 〝薔薇色のキャンパスライフ〟を夢見る、誇り高き三回生の「私」。しかし現実はほど遠く、実り少ない二年間が過ぎようとしていた。悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。 いっそのこと、ぴかぴかの一回生に戻って大学生活をやり直したい!
https://www.amazon.co.jp/四畳半神話大系(フジテレビオンデマンド)/dp/B019B1UMGU
タイムリープものとは少し異なり、「パラレルワールドもの」というべきでしょうか。
大学1回生の主人公「私」はバラ色のキャンパスライフを夢見て、テニスサークルや映画サークルといったよくあるサークルから、仙人かのような雰囲気を醸し出す謎の8回生「樋口師匠」に弟子入りしたり、謎の秘密結社に所属したりするものの、
悪友「小津」の影響もあり結局「無意義な学生生活」を送る羽目になるというストーリー。
クライマックスの10話、11話は何回見たかわからないほど惹きつけられました。
四畳半神話大系を読んだ感想・考えたこと
ここからは、この記事をご覧の皆さんがすでに四畳半神話大系をご覧になった前提で感想・考えたことを記していきます。
個人的なところも書いているのであしからず。
樋口師匠の名言に尽きる
樋口師匠と「私」の鴨川デルタでのやり取り(第9話)は鳥肌ものです。
秘密結社サークル「福猫飯店」で成功を収めたものの、それでも現状に満足できない「私」が樋口師匠に助言を求めるシーンになります。
一部抜粋がこちら。
「可能性と言う言葉を無限定に使ってはいけない。我々という存在を規定するのは、我々がもつ可能性ではなく、我々がもつ不可能性である」
「我々の大方の苦悩は、あり得べき別の人生を夢想することから始まる。自分の可能性という当てにならないものに望みを託すことが諸悪の根源だ。今ここにある君以外、ほかの何物にもなれない自分を認めなくてはいけない。」
「腰の据わっていない秀才よりも、腰の座っている阿保のほうが、結局は人生を有意義に過ごすものだよ」
「君が有意義な学生生活を満喫できるわけがない。私が保証するからどっしりかまえておれ。“バラ色のキャンパスライフ”など存在せんのだ。なぜなら世の中はバラ色ではない。実に雑多な色をしているからねぇ。」
まとめると、「あの時ああすれば〇〇だったかもしれない」と夢想せず、現時点の自分を認めるということ。
なぜなら、夢想するような「バラ色のキャンパスライフ」など存在しないから。
周りの人は楽しそうなキャンパスライフを謳歌しているように思えるが、それはそのひとの「バラ色の面」しか見ていないのであって、各々には多少なりとも負の面があるわけです。
世界にはバラ色に見える正の面とどす黒い負の面があるわけで、その両面を認めて現在を謳歌するのが大切なのだと感じました。
「バラ色のキャンパスライフ」は存在しない。雑多な世界だけ
四畳半の名シーンの一つ、樋口師匠と「私」の
これは、「思い出補正」とも通じるところがあると思います。
思い出してみてください。「完全に幸せしかない」というときはほとんどないはずです。
小、中学生の時だって、くだらない人間関係や勉強のことで頭を悩ませていたはず。
実際、去年の今頃何に悩んでいたか覚えていますか?
私はいろいろ悩み事があったと思いますが、思い出せるのはほんの数個だけ。
2年、3年前の悩みなんかすぐには思い出せない方も多いのではないでしょうか。
くだらないことなんかすぐに忘れてしまうのに。
聖地巡礼の価値を再確認
小説は「追体験」、あるいは「共感」ではないでしょうか。
文字から頭の中で世界を構築するわけであるから、そのための「材料」が豊かであればより追体験を果たせるというわけです。
知っている環境や場所が小説になるほど、その世界に引き込まれます。
それはアニメも同様。
知っている・馴染みのある環境が舞台であればこそ、より登場人物に感情移入ができる。
高校を舞台とするアニメが多いのも、視聴者のメインである若年層にとって高校は身近であるから。
四畳半神話大系の舞台は京都であり、実際の地名や実在するお店をモデルとした場所が多々登場します。
例えば、樋口師匠の名言が記憶に残る鴨川デルタは実在しますし、物語のキーとなる「猫ラーメン」はモデルとなるラーメン屋台がありました(残念ながら閉店)。
主人公と同じ場所に立ち、同じ光景を目にし、同じ風を感じる。
私も一聖地巡礼民として、鴨川デルタの飛び石の真ん中に立ち、京大のキャンパスに足を踏み入れ、糺の森を散策してきました。
文章や映像から頭の中に再構築した物語が、自分の体験で鮮やかに色づくのを感じられます。
聖地巡礼をしたからこそ、四畳半神話大系により強く魅了されたと言っても過言ではありません。
四畳半神話大系の聖地
ここからは、私が実際に訪れた四畳半神話大系の聖地を簡単にご紹介します。
後述する京都大学の試験を受験しに行く道中で探訪したものです。
時間の関係上、訪れたのは鴨川デルタと鴨川神社、糺の森、京都大学の4ヶ所。
本当は「猫ラーメン」のモデルになった出町柳駅周辺の屋台はらちゃんラーメンにも足を運びたかったが、1年ほど前に閉店したそうで…。
はらちゃんラーメン
— 京都ラーメンbot (@kyoto_ramen_bot) September 7, 2017
(通称 猫ラーメン) 出町柳 pic.twitter.com/51SPdHFNP9
京都に行ってとにかく印象的だったのが鴨川の存在。
飲み屋街のすぐ傍に鴨川が流れている光景は本当に心惹かれます。
ほろ酔い気分で鴨川沿いをふらふらほっつき歩けたら…なんてつい想像しちゃいます。
夜の鴨川沿いを四畳半のサントラを聴きながら散歩したのはいい思い出。
自分がアニメの世界の一員になった気分に浸れて最高でした。
翌日は前述した樋口師匠の名言のシーンの鴨川デルタの飛び石へ。
加茂大橋の上から写真を撮影しました。
写真撮影をしている場所は加茂大橋。
「自虐的代理戦争」の引き継ぎをした場所でもありますね。
こちらは下鴨神社の近くの糺の森。
古本市が開催される場所ですね。
とにかく広々として開放感があり、自然の心地よさを感じられました。
奥の橋の欄干は「私」と明石さんが腰掛けていたシーンのモデルとなっています。
京都大学の編入試験を受験
四畳半神話大系にに惹かれて、作品の世界をもっと身近に感じたいと考えた私は京都大学を受験しました。
というのは半分本当で半分嘘です。タイトル詐欺ですね。
本当は、樋口師匠の言葉を借りて言えば
「自分の可能性という当てにならないものに望みを託す」
そんな生き方をしてきたからです。
もちろん半分は本当
四畳半神話大系は私の大好きな作品なので、京都大学に対する強い憧れもありました。
なので、大学二回生までそれなりに努力して編入試験を受験しました。
残念な結果には終わりましたが、自分のちっぽけさを感じるとともに、学問の楽しさにも少しだけ触れることができたと思います。
こちらの記事に京都大学の編入試験についてはまとめてあります。
「可能性と言う言葉を無限定に使ってはいけない」という話
樋口師匠の名言、「可能性と言う言葉を無限定に使ってはいけない」。
「〇〇していたらよかったのに!」という過去の可能性を夢想せず、今ある自分を受け止めるという考え方ですね。
これは、未来の可能性にもあてはまります。
みなさんは、
「中学を卒業すればバラ色の高校生活だ!」
「高校を卒業すればバラ色のキャンパスライフだ!」
「いい会社に就職すれば将来は安泰だ!」
というように、ありもしない「バラ色の世界」を将来に措定して現在をおろそかにしていませんか?
正直、私はその傾向が顕著です。
中高の部活がきつかった時は「部活がないバラ色の世界」を想定して耐えるように日々の練習をこなし、普段の高校生活でもそれこそ主人公「私」と同様に大学にさえ入れば「バラ色のキャンパスライフ」がまっていると信じて疑いませんでした。
大学生活でも同様、「編入先にはバラ色のキャンパスライフが待っているかもしれない」、「就活を成功させれば人生の勝ち組になれるかもしれない」というように、価値判断を自分の外に置き、さらには未来に先延ばししているのが現状です。
「自分の可能性という当てにならないものに望みを託す」
これが私の生き方というわけです。
決して学業をおろそかにしたわけではありません。就活なんかせずに遊び呆けているわけでもありません。
無為なキャンパスライフを全力で謳歌した、腰が座った阿呆であった小津とは正反対の、腰が座っておらず、さして秀才でもない私がそこにました。
だからこそ、四畳半神話大系が、樋口師匠の名言が心に突き刺さりました。
続編「四畳半タイムマシーンブルース」にも注目
四畳半神話大系にはその続編として四畳半タイムマシーンブルースがあります。
四畳半神話大系に登場するキャラクターがタイムマシンを巡って大騒動を巻き起こすストーリーです。
舞台作品「サマー・タイムマシーンブルース」とのコラボ作品なので、こちらに興味がある方もぜひご覧ください!
四畳半神話大系に登場する魅力的なキャラクターの掛け合いをもう一度楽しめますよ!
まとめ
四畳半神話大系の感想をここまでまとめてきましたがいかがだったでしょうか。
「雑多な色」をした世界で、一度きりの人生、現在を精一杯エンジョイしていきましょう!
この記事を読んで原作小説にも興味を持った方はぜひご覧ください!
ほかにも、こちらの記事では当ブログ編集者がおすすめするアニメをまとめていますのでアニメ好きの方はチェックして見てください!
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